
ハウスクリーニングの所要時間の基本
「どれくらい時間がかかるの?」は、多くの方が最初に気になるポイントです。ハウスクリーニングの所要時間は、家の広さ・汚れ具合・依頼範囲・作業人数の4要素で大きく変わります。一般的には、単品メニュー(浴室のみ・レンジフードのみなど)は1〜3時間、複数箇所のセットや空室清掃は半日〜1日(4〜8時間)を見込むと安心です。見積もり時には、時間の目安と想定の作業工程を確認しておくと後悔がありません。
大枠を理解したら、時間を左右する具体要因と、場所別の標準的な目安を把握していきましょう。以下では、初めての方でも比較しやすいよう、チェックリスト形式と箇所別の目安を続けて解説します。ご自身の住まいの状況に当てはめながら読み進めてください。
作業時間を決める主な4要素
・広さ(平米・間取り)
・汚れの種類と蓄積度(油・水垢・カビ・尿石・ヤニなど)
・作業範囲(どこまで含むか、オプションの有無)
・スタッフ人数(1名体制か2〜3名のチームか)
場所別の標準的な目安時間
・浴室:1.5〜3時間(カビ・水垢・鏡ウロコ除去の有無で変動)
・レンジフード:1.5〜2.5時間(分解洗浄の範囲により前後)
・キッチン一式:2〜3時間(コンロ・魚焼きグリル・シンクの状態で変動)
・トイレ:1〜1.5時間(尿石・換気口清掃の有無)
・洗面台:0.5〜1時間
・窓・サッシ:1〜3時間(枚数・網戸の有無)
・エアコン分解洗浄(壁掛け):1〜1.5時間/台(お掃除機能付きは+30〜60分)
間取り別の時間目安
間取りは時間を考える上での基準軸です。ただし、同じ1LDKでも「水回りの汚れが軽い」「スタッフ2名で入る」など条件により所要は短縮・延長します。以下の目安は、標準的な汚れ・スタッフ1〜2名・水回り中心+αを想定した一例です。ご自宅の実情と照らし合わせ、前後の余裕を1時間ほど見てスケジュールを組むと安心です。
ワンルーム・1K
・水回り2点(浴室・トイレ)+ミニキッチン+窓少数で3〜4.5時間
・退去後の空室清掃は4〜6時間(床WAXやベランダ清掃の有無で変動)
1LDK・2DK
・浴室・トイレ・洗面・キッチン・窓で4〜6時間
・油・水垢が強い場合やベランダ・照明などを加えると+1〜2時間
2LDK〜3LDK
・ファミリータイプの水回り一式+窓・サッシで6〜8時間
・エアコン2台以上、レンジフード重度汚れなどで丸1日かかることも
戸建て(3LDK以上)
・水回り+窓多数+階段手すり・玄関周りまで含むと8時間前後
・スタッフ2〜3名のチームで同時進行すれば6〜7時間で収まる例も
実作業の流れと時間配分の考え方
当日の段取りを知っておくと、待ち時間の不安が減り、仕上がりの質も上がります。ここでは一般的な流れを時系列で示します。所要はあくまで目安ですが、どの工程に時間が掛かりやすいか把握しておくと、見積もり比較や当日の指示がスムーズです。
到着〜準備(15〜30分)
・養生、機材搬入、作業範囲の再確認、仕上がりイメージの共有
・気になる箇所のヒアリング(鏡のウロコ、排水口匂いなど)
清掃工程(メイン:合計3〜6時間)
・水回り(浴室・洗面・トイレ)を先行し、薬剤の反応時間を活用
・キッチンは油の浸け置き→こすり洗い→仕上げで段階的に進行
・窓・サッシは外せる部材を分けて洗浄、乾拭き仕上げ
仕上げ・片付け(30〜60分)
・拭き上げ、乾燥、動かした備品の原状復帰、最終確認
・ビフォーアフター確認と今後のメンテナンス説明
時間短縮のコツと事前準備
同じ依頼でも、ひと工夫で1〜2時間短縮できることがあります。プロの作業を効率化できれば、仕上がりの精度にも好影響です。以下はお客様側で無理なく進められる準備の例です。できる範囲で取り入れてみてください。
依頼前にしておくと良いこと
・小物の一時移動(洗面台周り・浴室棚・キッチン調味料)
・清掃箇所の優先順位メモ(絶対に外せない/できれば)
・駐車スペースやエレベーターの利用可否の共有
当日の動線確保
・水場〜作業箇所への動線を空ける(バケツ・ホースの通り道)
・ペットや小さなお子様の一時的な別室待機
・電源コンセントの位置案内(高圧洗浄・照明器具のため)
オプションのまとめ方
・エアコンは同型を同日にまとめると段取り効率UP
・窓清掃は面数・網戸の有無を事前申告で準備最適化
・レンジフード分解とキッチン一式を同時依頼で洗剤の反応時間を共有
よくある時間超過の要因と対処
想定より時間が伸びるケースもあります。事前に「伸びやすい条件」を知り、契約時の取り決めを明確にしておけば、当日のストレスを大きく減らせます。以下のポイントを契約前の確認事項に加えておきましょう。
汚れの重度化
・黒カビが目地奥まで侵食/鏡のウロコが厚い/油が硬化
・写真か動画で事前共有→追加料金・時間の基準を見積書に明記
設備・立地由来の遅延
・駐車不可(遠距離搬入)、水・電源が使えない、エレベーター待ち
・管理規約の作業時間制限(集合住宅)への配慮が必要
追加依頼・範囲変更
・当日の範囲追加は段取りを崩しがち
・「追加はこの金額・この時間で可能」の事前合意を
スケジュールの組み方(モデルケース)
初めて依頼する方向けに、時間の見積もりと当日の動きをイメージしやすいモデルケースを示します。下記は「2LDK・水回り一式+窓(小)・スタッフ2名」を想定した例です。
・09:00 到着・養生・工程共有(15分)
・09:15 浴室薬剤塗布→放置中に洗面台・トイレへ(90分)
・10:45 浴室研磨・パッキン清掃(60分)
・11:45 休憩(15分)
・12:00 キッチン油汚れ浸け置き→五徳・グリル洗浄(90分)
・13:30 レンジフード分解洗浄(60分)
・14:30 窓・サッシ・網戸(60分)
・15:30 仕上げ・原状復帰・最終チェック(30分)
→ 合計:約6〜6.5時間(汚れ中程度基準)
見積もり比較のチェックポイント
時間だけで選ぶと、仕上げの質に差が出やすくなります。価格や所要時間と同じくらい、工程の丁寧さや保証の範囲も確認しましょう。以下のポイントを押さえると、後悔のない選定がしやすくなります。短時間・低価格のプランでも、必須の工程を省かないかどうかは必ずチェックしてください。
必ず確認したい項目
・作業範囲(鏡ウロコ・排水口分解・換気口・パッキン除カビの扱い)
・使用洗剤・道具(素材に対する安全性/メーカー指定の可否)
・スタッフ数と想定所要時間(延長時の単価・上限)
・養生・保険・仕上がり保証(再清掃の条件・連絡期限)
・写真報告の有無(不在対応や空室での安心材料)
時間を上手にコントロールするコツ(まとめ)
ハウスクリーニングの時間は、家の状態と依頼の仕方で変わります。目安を押さえ、事前準備と優先順位の共有、当日の動線確保、追加作業ルールの合意ができていれば、予定通りに進みやすくなります。迷ったときは、希望時間内にどこまで品質を担保できるかを業者に率直に相談しましょう。時間は「削る」より「配分を最適化」する発想が大切です。結果として、仕上がりの満足度と当日のストレス軽減につながります。
